ほとぼり。 (ページ31)

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SC「おかえり〜…なんか顔赤いけど？」

「な、なんでもないよ。早く行こう」

グイグイと彼の背中を押してお店から出ると外はすっかり暗くなっていて冷たい風が頰を撫でた

春先といえどまだ寒い

SC「寒いね」

「ね、寒いね……わっ、ねえ離れてよ」

彼が私にぴったりとくっついてくるもんだからまた心拍数が上がる

急いで彼から離れるとムッとした顔をしてまた距離を詰めてくるから狼狽えた

キュンとするからそんな顔しないで

「やだ、はなれて」

SC「何でそんなこというんだよ」

「いいから」

SC「やだ」

「もう、何でそんな変なとこで頑固…」
SC「危ない！」

彼から距離をあけようとすると突然私の肩に腕を回し強く引かれ、彼の胸に飛び込む形になる

何事かと思うと私のすぐ後ろをすごい勢いで自転車が通り過ぎる音がした

……色んな意味で心臓がバクバクだ

SC「っは〜危なかった………A大丈…」

ふわりと頰を撫でられ、無意識なんだろうが顔を私に近付けるとこの間と同じようにまた顔が至近距離になった

ジッと言葉を発さず見つめ合って、そこで私がハッとする

「…………っぁ、ごめ、」

あの日と違うのは私がすぐに目を逸らそうとしたこと

そして

SC「……A

目、逸らさないで」

彼がそれを許さなかったこと