ほとぼり。 (ページ29)

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あれから数日経って、今日は待ちに待った入学式だ

彼は宣言通りモーニングコールをしてきたが出るのがなんだか癪だった私は無視した

後がうるさそうだけどまあいいや

「いってきまーす」

［行ってらっしゃーい］

玄関のドアを上げると彼は不機嫌な顔をして立っていた

出待ちだなんて趣味が悪い

SC「俺の電話無視しやがって」

「急いでたの」

飛んでくる視線を適当に躱して一緒に学校に向かう

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彼と行く道はあっという間で無事学校に着いた私達はガイダンスが終わって自分のクラスがどこか見に行った

SC「A！一緒のクラス！しかも席隣！」

「えほんと？…わ、本当じゃん」

SC「まじで俺らずっと一緒に居れるね

…まあ教室まで迎えに行くってシチュエーションもいいけど」

よくわからない事を横で言っているがとにかく本当に同じクラスで良かった

ちゃんと友達できるか不安だ

教室に入ると女の子達がザワザワと騒ぎ出した

［待ってめっちゃあの人かっこいい］

［どこどこ？うわまじじゃんやば］

［えー彼女いるかな、私立候補したいんだけど？笑］

［ヤー、お前じゃまず無理だろ笑笑］

そんな声が飛び交うが彼は特に気にしていないようだった

なんか慣れてる感じがしてモヤっとする

SC「ねえA俺の方見てよ〜なんでそっち向くの」

窓際の私は窓から見える景色を眺めていたが隣で彼が文句を言い出す

［…何、あいつあのイケメンの彼女？］

［知らね。友達になってイケメンの連絡先でも聞いてくれば？笑］

なんか、胸がざわざわして気持ち悪い

スンチョルは彼女達の声が聞こえてないのか構わず私に話しかけてくる

嬉しいけどそれに比例して視線もきつくなるから居心地が悪かった

「…ちょっとスンチョル、しー」

SC「ええ〜……分かったよ」

若干拗ねながら彼が私に話しかけるのをやめて机に突っ伏すと、張り詰めていた空気が少し和らいだ気がして私もホッとした