ほとぼり。 (ページ28)

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そこから毎週決まった曜日決まった時間に彼と会うようになった

ふざけて一緒に笑い合う日もあれば特に何も話さないでただ側にいるだけの日もある

静かな空間も気まずいなんてことはなくむしろ彼なら安心できた

話をしていくうちに分かったのだが彼は私と行く高校が一緒らしい

同じクラスになるといいね、なんて言って話した

SC「毎朝俺がモーニングコールして起こしてるよ

もちろんAが寝るときも電話繋げてあげる

おはようからおやすみまでずっと一緒な」

「冗談は顔だけにしてよね、スンチョル」

SC「それどういう意味？？」

もうすでに何回も会ってるのに名前を知ったのはつい最近のことでお互い驚いた

案外人は名前なんて知らなくても困らないものなんだな

SC 「…ん？そういえば俺たち連絡先交換してたっけ？」

「え？あ〜〜…してない気がする」

SC「ええっしなきゃだよ、ほらスマホ出して」

半ば強引にスマホを取られ「まだ交換してないだなんてね〜」なんて言いながら

私のスマホに自分の連絡先を登録していくのをぼーっとみる

SC「よし、できた。これでいつでも話せるな」

「ありがとう。スンチョルの連絡だけ無視するね」

なんでだよ！と騒ぐ彼を無視してスマホに入った彼の連絡先を見る

すると急に黙った私を不審に思ったのか私の顔を覗き込んだ

SC「どうした？」

「いや、このアイコンの犬かわいいなって思…」

顔を上げると、思ってたより近い距離に彼の顔があって目を見開く

彼も驚いたようで一瞬目を見開いたがすぐに普通の顔に戻りそのままの状態でお互い見つめ合う

「…………………」

SC「…………………」

甘いようなむず痒いようなそんな空気が流れるから何でもないふりしてこの雰囲気を壊したいのに

なんとなく言葉を発しちゃいけない気がして口を結ぶ

SC「……ごめん、びっくりしたね」

「…え、あ、ああ…うんびっくりした」

彼が口を開いて私から距離を取る

数秒だったかもしれないけど本当に何十分にも長く感じて変な汗は出るし胸もおかしいままだ

SC「ってもうこんな時間か

帰ろう、送るよ」

そう言って歩き出した彼の背中を追いかけて公園を後にする

顔はまだ熱いままだけどその日は何もなかったかのように談笑しながら家に帰った