ほとぼり。 (ページ24)

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キッと下から彼を睨み付けていると薄く笑われた

SC「そんな顔したって可愛いだけで微塵も怖くないよ

それとも何？煽ってる？」

「馬鹿なこと言わないでさっさと戻って」

SC「はいはい」

やっと自分の所に戻るかと思いきやあろうことかそのまま私の隣に座ってくる

話聞いてるの？

「ちょっと」

SC「水飲んでくれないならせめてここに居させて」

「………………はぁ」

何を言っても聞かない気がして諦める

ずっと彼の思う壺になってる気がするけど、なんだか考えるのも面倒くさくなってきた

彼も私の無言を了承と受け取ってそのまま居続ける

少しの静寂のあと、彼がぽつりぽつりと話し始めた

SC「……連絡取れなくてごめんな

言い訳に聞こえるだろうけどあの時スマホ壊れちゃってAに連絡しようにも出来なかったんだ」

「…だから別に気にしてないってば」

SC「俺が気にするんだよ、お願いだから話を聞いて欲しい」

彼から縋るような視線を送られ思わず押し黙る

SC「誤解がないようにまず最初に言っておきたいのは

俺はAのこと嫌いになんてなってないしなったこともない」

「…はっ、うそばっか」

だったら尚更どうしてあのときすぐに否定してくれなかったのよ

泣きそうになってまたお酒を呷る

アルコールが身体中を巡る感覚がして、それが自分の弱さに感じてまた泣きたくなる

忘れたい記憶が蘇った