ほとぼり。 (ページ23)

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しばらくすると料理が運ばれてきて店員さんにお礼を言って料理を食べ始める

味なんてしなかった

ただ料理を口に運んでは咀嚼して飲み込むという、作業に近い行為を繰り返す

苦痛で仕方なくて早く酔ってしまおうとお酒を一気に呷ると

座ってるのに身体がフラッとした気がした

SC「大丈夫？」

「………大丈夫」

何よ、私のこと好きなんかじゃないくせに気遣う素振り見せないでよ

嫌な感情を無理矢理流し込むようにまた呷った

SC「流石にペース早いよ、一旦水飲んで」

「酔うためにしてるんだから早くて当たり前でしょ」

SC「駄目。俺との話ちゃんと覚えてて貰わないと困る」

ちゃんとしたこと言わないでよ

良かったね、全部お酒のせいにしようとする駄目な私とは違って良い大人になれて

水を差し出してくる彼の手を無視するとムッとした顔をして私の隣に移動してくる

「やだ、来ないで。自分のところ戻ってよ」

SC「俺だってやだ。ほら水」

ジリジリと迫られ、座りながら後ずさっていくと背中に壁が当たる感覚がしていよいよ逃げ場がなくなる

ここまできたら意地でも水を飲みたくない