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重い空気の中、先に口を開いたのは彼の方だった



SC「……ごめん」


「…何が?」



少しきつい言い方になってしまって後悔する

なんて可愛げのない女なんだ私は


もっと素直で可愛げがあって、まさにユナみたいな女の子だったら今も彼と付き合えてたかもしれないのに

笑い合えてたかもしれないのに



SC「ごめん、本当に


言いたいことは沢山あるんだけどどれから話せばいいのか分からなくて…」


「……………」


SC「その……ごめん」



さっきから彼に謝らせてばっかりだ


私がまず謝るべきなのに

ストーカーみたいな行為をしたから彼も困って私にやめさせるためにここに呼んだんだきっと


だから私は早く謝れ、早く口を開け


頭では分かってるけど実際に声を出すことが怖かった



私だって彼と同じようにどれから話すべきか分からないでいるくせに

自分は話すことなんてないみたいな態度とって馬鹿みたい



SC「……俺、本当にAに会いたかったんだ

あの時のことずっと謝りたくて仕方がなかった

一人にしてごめん」


「…別に気にしてないよ」


SC「嘘つかないで」


「嘘じゃない」

SC「じゃあ俺の目を見てもう一回言ってよ」





まさか食い下がってくると思わなかったから心臓が変な音を立てて狼狽する



SC「A」





そんな目で、私を見ないで

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作者名:環。 | 作成日時:2023年10月25日 18時

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