・(微ホラー) ページ8
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『…A?そこにいるの?おいで』
ビビっているとそんな声が外側から聞こえた
「…すんちょる?」
返事はないが私の名前を知ってるというのと
何処となくスンチョルの声に聞こえるという理由で
少しだけ顔を出してみる
だが部屋が真っ暗なせいで顔が確認できない
『やっぱそこにいたのかA、ごめんな一人にして』
「…?ううん大丈夫だよスンチョル」
そう言って手を差し伸ばされたのでその手を握る
『じゃあ行こっか』
手を引かれて一緒に歩き出す
一体何処へ行くと言うのだろうか、出口かな
…スンチョルの手ってこんなに細くて冷たかったっけ
疑問に思いつつも手を握ったまま一緒に廊下に出る
すると「出口」と書かれた案内標識があったにも関わらず
それとは反対の方向に歩き出した
「ねえスンチョル、何処に向かってるの?出口あっちだよ」
返事はない
段々と妙な感じが強くなって怖くなると同時に
手を強く握られ、強く引っ張られながら歩き始める
「スンチョル待ってよ、速い、痛い」
スンチョルは絶対にこんなことしない
自然と涙が出てくる
SC「A!!!」
後ろから掛けられた声にハッとして振り向くと
スンチョルが息を切らして立っていた
力一杯に手を振り解きスンチョルの元に駆けつけて抱き付く
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作者名:環。 | 作成日時:2023年7月23日 20時