二十三話 ページ23
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曲は、ゆづくんに見せた時のものと同じ。
呪いにかけられたオデットは、湖でジークフリート王子に出会う。王子は彼女を白鳥から人間に戻すために奔走する。
わたしにとっての王子さまはゆづくんかしら。なんて乙女チックに考えながら、ステップを踏む。
本番も物怖じしないところが強みだ、と昔からコーチに言われていた。
白鳥のように、軽やかに。
母親譲りの長い両腕を鳥の羽のように使う。
いつだって見本は羽生結弦。わたしが追いかけるのは彼だけだ。
最後のポーズをとりおえたとき、ワンテンポおいて周囲から大きな拍手と歓声が聞こえた。
興奮からか体がぶるっと震える。白い羽のついた自分の体を抱きしめた。この衣装、ちょっぴりゆづくんの白鳥の時の衣装イメージして作ったものなんだ。
なんども観客にお辞儀をして。ありがとう、と小さく呟いてリンクサイドへと向かった。
待っていたのはコーチと宮原知子さん。
「控え室のテレビで途中まで見てたんだけど、生で見たくてこっちまで来ちゃった」
なんで照れたように話すのはわたしの前に滑った彼女。
「この大会は結構観客の声援がプラスされることが多いからどっちが勝つかはわからない。だけどもっと上の大会になったら、そうはいかないから。負けないよ。」
技術において、わたしはまだまだ未熟なところがある。ジャンプはオリンピックで一回入れなければならないアクセルジャンプが回転不足にとられることが多い。見破られている。
それでも彼女にライバル意識してもらえたことが嬉しくて。にこりと微笑んだ。
「ジャンプは苦手だけどさ、ステップもシークエンスもスピンも完成度が上がってきてるね。あそこまで白鳥ができる人は他にいないよ！感動しちゃった！」
あの小さかったAがここまでに成長するなんて！と興奮冷めやらないコーチと共に結果を待つ。
わたしのスコアが出揃えばショート全体の順位が決まる。
ライバルたちを押しのけ1位になる自信があった。強豪がいるとはいえ日本大会だ。
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でも完璧に踊ったと思えたわたしのショートは2位に終わった。
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ゆうちょ(プロフ) - マイさん» マイさんありがとうございます。単なるわたしの妄想ですが、楽しんでくださるとわたしも嬉しいです。ありがとうございます！！ (2018年3月1日 23時) (
レス) id: edceaa7f0e (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 続きがきになって仕方ないです！！大好きです！更新楽しみにしてます(^^) (2018年3月1日 11時) (レス) id: 1b207efc07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちょ(プロフ) - 莉樹さん» ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。ありがとうございます！ (2018年2月26日 21時) (レス) id: edceaa7f0e (このIDを非表示/違反報告)
莉樹(プロフ) - 結弦のお名前をひらがな表記の場合には、つに濁点の方だと思います！次の更新を楽しみにしています。 (2018年2月26日 21時) (レス) id: e903c9ed29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちょ(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます。拙い文章ではありますが、羽生選手の素晴らしさを精一杯文章にしていきます、頑張ります！ (2018年2月26日 20時) (レス) id: edceaa7f0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうちょ | 作成日時：2018年2月26日 0時
