あなただけに。

十九話 ページ19

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ゆづくんと決意表明をしあったあの日の三日後。



わたしは昼間のスケート場にきていた。



シューズとウェアを入れたリュックサックがやけに重たく感じる。



でも他の選手の中で踊れなくてどうする。そう自分に喝を入れて震える足を運んで入口から中へ入った。




「まってたよA！！どうしたのレッスンを昼間に変更したいだなんて」



まあこれで不規則な生活を送らずに済むわ、とあくびをしながら喋るこの人はわたしの先生。宮城にいたときから指導を受けている。現役時代は世界選手権で3位入賞経験をもつ実力のあるコーチ。




指導が厳しすぎてわたし以外にコーチングを頼んでくる人がいないらしく、わたしが神奈川のリンクに移るときについてきてくださった。


「観客怖い怖い病克服しなきゃ、と思って！」


オリンピックを目指すという話は電話で既に彼女にしていた。


何その病名ださ〜！、と吹き出した後でふいに真剣な顔になる。




「あんたが頑張るって言ったからには、わたしもこれまで以上に厳しくするからね」



目標があるから、彼のために、わたしは高みへ行くためになら、どんな辛いことだってうけいれよう。




「はい！ご指導お願いします！コーチ！」

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