十八話 ページ18
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「え、えっ」
急いで彼の元に向かう。
泣いてる。ゆづくんが、羽生結弦が。
わたしに涙を使うなんてもったいない。
「泣かないで、ゆづくん」
コクリ。漫画とかだったらそんな効果音がつきそうな感じでうなづく。そんな雰囲気じゃないはずなのにキュンとしてしまう。
「久しぶりにあんな楽しそうなAを見た。」
涙をこぼしながら、彼はくしゃりと目尻にしわを寄せて笑った。
「四年後、平昌で待ってる。シングルの金メダルを男子と女子、二人でかっさらおう。」
勿論。わたしはまだまだオリンピックに出場できるのかも、まず人前で演技できるのかもわからないけれど。
これからは挑戦の日々がやってくるのだ。考えただけで胸の高鳴りがおさまらなかった。
「きっとこれからはいろいろ忙しくなるね、お互いに。」
寂しい。そんな思いが声色に出ないよう、機械的に声を出した。
彼は大学も東京だし注目をあびているからいろんなところに引っ張りだこになってしまうだろう。
わたしだって実績をたくさん作らなければオリンピック選手には選ばれない。
スケート場にはふたりきり。このまんま告白してやろうか。と思ったけど。それはわたしがゆづくんの隣に並んで立てるようになってからにしよう、と思い直す。ゆづくんはモテるからどうせオーケーしてくれないし。
彼がわたしに手をのばす。リンクとリンクサイドの仕切りを挟んで、抱きしめられた。
いきなりのことでぐえ、と変な声が出た。こんな時ぐらいもっと可愛らしい反応ができないのか、自分。
ほんとチャラくなったわね、と思うけど口には出さない。
きっとこれは戦友としてのハグ。一瞬緩んだ頬を引き締め、わたしもゆづくんの腰に手を回してぎゅ、っと力をのめた。
「また会うまで、元気でね、A。」
「ゆづくんこそ。」
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ゆうちょ(プロフ) - マイさん» マイさんありがとうございます。単なるわたしの妄想ですが、楽しんでくださるとわたしも嬉しいです。ありがとうございます！！ (2018年3月1日 23時) (
レス) id: edceaa7f0e (このIDを非表示/違反報告)
マイ - 続きがきになって仕方ないです！！大好きです！更新楽しみにしてます(^^) (2018年3月1日 11時) (レス) id: 1b207efc07 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちょ(プロフ) - 莉樹さん» ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきます。ありがとうございます！ (2018年2月26日 21時) (レス) id: edceaa7f0e (このIDを非表示/違反報告)
莉樹(プロフ) - 結弦のお名前をひらがな表記の場合には、つに濁点の方だと思います！次の更新を楽しみにしています。 (2018年2月26日 21時) (レス) id: e903c9ed29 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうちょ(プロフ) - 美紀さん» コメントありがとうございます。拙い文章ではありますが、羽生選手の素晴らしさを精一杯文章にしていきます、頑張ります！ (2018年2月26日 20時) (レス) id: edceaa7f0e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆうちょ | 作成日時：2018年2月26日 0時
