飽きさせないでよ【シルバー】 (ページ24)

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ハッピーバースデー！ページ24

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「なんでお前はそんなに……！！」

『ああもう……！うるさいのよ貴方！！』

私の態度が気に入らないのか、彼は声を荒げた。しかし、私もそれを黙って見過ごすほど優しくはないし、そんなに大人じゃない。

効果音をつけるとしたら、ピシャン、雷鳴の様に威圧的で一方的な怒りだ。私はセベクの言葉を遮ってキレ散らかした。自分でも理不尽で自己中だと思う。ホントガキだ。それでも、彼はまだ反論する。本当は、誕生日までイライラさせたくないだけなのに。

「そんなに僕が嫌いなら、二度と来なくていい！！！！」

『……！！！』

何も言い返せなかった。『嫌いなわけない』そう言って彼が信じてくれるものか。それより、彼の言葉がかなり堪えた。胸が締め付けられるように痛い。ぐぐぐと涙が込み上げ、いっそ泣き出してしまいたい衝動に駆られた。

「セベク、それは言い過ぎだ……」

『……！？』

突然、という言葉が彼は似合い過ぎる。シルバーは私の肩に手を置き、それに過剰な反応をしてしまった。
いつの間に起きたのか。寧ろ何故今更起きたのか不思議なくらいセベクの声が大きかったはずだ。起こしたくなかった。しかし、これは世に言う干天の慈雨というやつなのだろう。

まあ、雨に助けられたことなどないが。

「Aがお前を嫌っていると、本気で思っているのか？」

そこか？この口論でお前が焦点を当てたのはそこなのか？そんな素朴な疑問は彼の前では身を滅ぼすだけなので、お口をチャックした。

まだ眠いのか、立っているのもやっとでフラフラしているシルバーの背を、力半分で叩き起こした。彼に代弁してもらわなかったって、自分でだって意見は言える。

『……マレ様や親父殿を愚弄したつもりはない。ただ、用事が済んだから寮へ帰ると言っただけよ。
表現が悪かったのは謝る。』

「そうだ、セベク。お前の勘違いだぞ。」

『だから、もう帰っていい？』

「もう少しゆっくりしていったらどうだ。」

『アンタ会話に参加してた？』

暫く関わっていなかったからか、彼らといるとストレスが凄い。いらふわの片割れが原因か、それとも妖精半分ヒト属半分が原因か。言うまでもなくどちらもだ。大きな溜め息を零す。

「うむ、あれが混沌(カオス)というヤツじゃな！！」

「リリア……迎えに行かなくて良いのか？」

「面白いから放って置けば良い。」

少し離れた場所で二人の妖精が見守っていたことは、知る由もなかった。