防弾少年団は私の彼？ (ページ44)

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アイドルの彼。JK ページ44

どぅーせっ！アンニョンハセヨ！バンタンソニョンダンニムニダ！

キャーーーー！！

彼らが挨拶をすると割れるような黄色い歓声が響き渡る。

新しいアルバムを発表する彼らの、コンサート。
最終日の今日、私は招待されてやってきた。
招待されたといっても、バレてはいけないから関係者席ではなく、一般のアリーナの最前列だった。

この日のために毎晩連絡もできないくらい練習を積み重ねていたことを、知っているから。

『ヌナ、明日、来てくれるよね？』

昨日の夜電話の向こうで少し緊張気味に言う彼の声が、やっぱりアイドルで、アーティストで、今回のコンサートに大きな期待と緊張感を抱いていたことを物語っていた。

「もちろん、行かせてもらうよ。だから、最終日、楽しんでね。」

そんなこと私が言わなくたって、彼がそうすることはわかっていたけれど。
だけどなぜか、私が感極まってしまって泣きそうなのを堪えて、ようやく言えた言葉だった。

そして、今。
目の前のステージで汗を流し、歌い、踊る彼は、いや、彼らは、私が見てきたうちの誰よりも輝いていて、キラキラしていた。

寂しいことも多いし、不安になることだって多い。
それでも、こんな彼の姿を見たら、私はそんな寂しさなんてちっぽけなもので、支えたいという思いが強くなる。

彼が作った歌詞が使われたと喜び勇んで電話をくれた曲。
バラードバージョンのそれは、ティーザーが公開されたときから大きな反響を呼んでいた。

目の前で目を閉じながら歌う彼は綺麗で、儚くて、私の知ってる彼とは違う、遠い存在に感じた。

それから一転、彼ら特有の盛り上がる曲の最中のことだった。