壱ノ章ー9話 ページ10
「湖の底に洞窟がある!潜って外に出なさいな!」
山にある滝つぼである程度の泳ぎと潜水は習った
あの高さから落ちても底にぶつからなかった言うことは相当深いと予測
だが、壁を触るに断崖絶壁
逃げ場はなかった。やるしかない
「寒くないけど長い間浸かってるとふやけるわよーー」
女の声は無視し暗闇の中手探りで洞窟を探す
浮上しては潜水、浮上しては潜水を繰り返し
『!』
大人1人分くらいの小さな穴を見つけた
でかい縦穴洞窟を取りこぼさぬよう注意したながら一周したのだ
ここで間違いない
服は重く息も上がっている
休みたい
でも水の中ではとても休んでいられず体の皮膚がふやけて痛いし触れ合うとジャリジャリして気持ち悪い
頭が重く苦しい
一刻も早く楽になりたくて大きく息を吸って潜水
小さな洞窟へ泳ぎ出す
『………』
両手で暗い中を泳いでゆく
『っ……』
が
『〜〜!!』
一向に外に出れず
『!!』
いつまで真っ直ぐ進むのだろう
潜水できる時間は3分だ
『っ!!』
息がだんだんと持たなくなってきた
苦しい
戻るか?
いや、方向転換できるほど大きくない
バックで戻るか
あの距離を?また3分かけて戻るのか?
自問自答を繰り返しながら前へ前へ
しかし
たどり着かない
『ごふっ!!!』
突然の行き止まり
頭を強打
大事な空気がなくなった
慌てて上に手を伸ばす
『!!!』
が上にも道はなく
『!!?』
通り過ぎた?
どこかの距離で上に通じる道があったのか?
見落とした
予想してなかった
詰めが甘かったんだ…!!
『がふっ…!!』
絶望し全ての空気を吐き出して意識はフェードアウトした
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