壱ノ章ー8話 ページ9
『あぐぅ!!!』
そこからもう地獄の日々
『いっっ!!』
殺したい女に鍛えられるという謎の状況
けれど私に道はなく
『ぶへ!!!』
山で肉体造り
『んぐ!!!』
10歳であの女。内空閑 帯子(うちくが おびこ)と名乗る30歳に見えた実年齢50のババアにしごかれ
『あひ!!』
しごかれ
『いぎぃ!!』
しごかれ
『がふっ!!!』
2年
「んー。ま、いいでしょ」
『………』
ぐったり倒れる私に笑う帯子
「じゃあ、次」
ひょいと首根っこを掴まれ歩き出す
もう2年も続ければ慣れたものだ
「アンタ、飯食えって言ったでしょー?」
『…』
「鍛えてんだから食べないと痛めた筋肉の修復で栄養とられて背が伸びなくなるって何度も忠告したわよね」
『………』
食べたらすぐ山に戻されて動いて全部吐いちゃうんだから食べても無駄じゃん
「ぺちゃぱい」
なんだその腹立つ響きは
「ほら」
足に吹き抜ける風
「ついたよ」
現在は夜
下は崖
底は見えない
「安心しなさいな」
揺れる体
『は、ちょっ』
「下は水だから」
いい笑顔
『まぁあぁあ!!』
放られる体
『ぃいい!!!』
なすすべ無く落ちてゆく
『っ!!!』
何も見えない
思わず頭を守り目をつぶった
暗い
怖い
『っっはっ、ぁあ!!』
水に勢い良く落ちて浮上
空気を吸う
「登ってこれないからねーー!」
上から帯子の声
41人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ