【鬼滅の刃】口悪い鬼嫌いが奮闘する夢小説 (ページ18)

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壱ノ章ー１７話ページ18

「A！！！」

張り上げられた炭治郎の声

『！？』

声の方向から可笑しな色が

「“鬼”はもう“１人”いる！！」

１人だって！？

「あいつらは“３人”で動いていたんだ！！」

迫りくる色

『って言っても鬼の色ーーっ！』

「死ねえええ！」

『“２色”なんですけど！！！』

飛びかかってきた女の鬼を避ける

『炭治郎！！鬼は２“匹”だ！！』

可笑しな色の正体はコイツじゃない

警戒を解かず構える

『……』

Aは天の呼吸を習得した際
育手である帯子に言われた「空気を読む」ことに対して異常なポテンシャルを発揮した

共感覚である

共感覚とはーー

刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象をいう

例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、形に味を感じたりする

Aは空気を読むことを色や文字、形とした“視覚的”に捉えることができるのだ

『！！』

ーー来る！！

反撃に転じれるようにいなす型をとるA

「ぎぃいや！！」

『！？』

しかし吹き飛んだのは女の鬼

「ム。」

麻の葉文様の着物に市松柄の帯をつけた娘が意気揚々と鬼を蹴り飛ばしたのだ

バキバキと竹林をなぎ倒して飛んでいくのがわかった

『………』

何がなんだかわからない

仲間割れ？
別の鬼が騒ぎに釣られた？

あ然としながら鬼を見つめる
娘はキレイな長い髪を夜風になびかせていた

「ムー」

何が唸っているような声を出している鬼

ただ一つわかることは

『ひゅっ！！！』

この鬼が“可笑しな色”の持ち主ということ

斬りつけるがあっさりと避けられてしまう

『っ！！』

ーーなんだコイツ…

斬りつけ斬りつけ斬りつけるが

ーー反撃がないーー！！

なんだかおちょくられているような気分でムカっぱらが立った

『スぅうーー』

眉間にシワを寄せ怒りのままに息を吸う

天の呼吸

壱ノ型瞬刻・暁ーー！！