壱ノ章ー14話 ページ15
あまりのイラつきに奥歯を噛み締めた
『本当に最悪な“育手”なんだわ。あいつ、まじ、まじ』
最終選別は惨めったらしく逃げに逃げに逃げを重ね逃げ切ってやった
「苦労したんだな」
『!』
そう言う割にまるで「恩師をそういう風に言うもんじゃないよ」と言いたげな表情の炭治郎
瞳が潤んで眉を下げて微笑む姿は少しだけ
姉に似ていた
「!!」
『?』
突然、彼が竹林を警戒しだす
『どうしたの』
「鬼の“匂い”だ…」
『は?』
瞬間
『!!』
炭治郎の視線の先に感じる“不穏な色”
『浅草で噂されてた鬼かな』
突然の竹林から悲鳴
「!!!」
人が襲われている
走り出す2人
『!』
竹林の笹に飛び散る血
倒れている人
「…誰ダ…。誰誰誰」
男女の鬼
「その隊服…“鬼殺隊”ってやつ?」
鬼からボタボタと垂れる血
月明かりで見える男の鬼は農民と思わしき男の頭を握っている
「その人を離せ!!」
『!!?』
話しかけただと!?
何考えてんだこの男!!
何故か鬼と対話をはかろうとする炭治郎に驚いて飛び出すタイミングがなくなってしまった
「断ル」
「それを断る!!!」
はぁあ!?
なんだこいつ!なんなんだこいつ!!
鬼も口開けたまんま微動だにしない!
『バッカー!』
「馬鹿じゃない!竈門炭治郎だ!」
『知ってるよ!!!』
すげー堂々としててイラっとした
「離さなかったどうするのさぁ」
鬼の女が下品に笑う
「人質連れてたら手が出せないって言うのぉ?」
男の鬼が農民の顔を前に突き出し女が首に爪を突き立てた
「やめろ!!」
『馬鹿かてめー』
炭治郎の叫ぶ声
「!!」
ーーはやい…!
静かなAの吐き捨てた言葉とともに
「ガッ…!!アァア!!」
男の鬼の両手がずり落ちた
『……人質にばっか構ってっから刀向けられてんのに無防備になんだよ』
「こいつぅう!!!」
『!』
女の振り下ろされた爪を避けるのは難しいことではない
「ぎゃあ!!」
しかしAと鬼女の間に炭治郎が立ちふさがり鬼女の腕を切り落とした
農民を回収し下がる炭治郎とA
「この人まだ息がある!」
『くらいやがれっ!!!』
ーー目くらましだ!!!
刀を振るい笹を巻き上げる
「くっ…!」
「!!」
鬼ふたり
「いない…!」
目の前から鬼殺隊が消えた
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