壱ノ章ー13話 ページ14
『ぶっっっはぁ!!!!』
死ぬ!死ぬ!!死ぬ思いで洞窟を抜け浮上すると海
途中、淡水から海水へと混じって変わるところがあったから何となく予測はしていた
『!!!』
目の前に飛び込んできたのは
白い雲とどこまでも続く蒼い空
『………』
ーーおしょら…きれい
『ぶくぶく』
事切れて溺れ沈む
「お、やっと抜けたね」
縦穴を潜水で抜けた頃には
『……っ!!』
1年が経っていた
『………』
目を開け辺りを見渡す
最近は水の上を漂うことが多かったので飛び起きる癖は抜けていた
『………』
浜辺だろうか
遮るものがない太陽の日差しは気持ちがいい
空も変わらず晴れやかで
そういえば起きた時はいつも森だったから空を見るのは本当に久しぶりだ
「突破おめでとう」
『帯子…』
「はい、これ」
渡されたのはいつもの水の入ったひょうたんではなく
『刀…?』
でも普通の刀より何だか変な色がついている
不思議な模様というかデザインというか
「これからの修業は“呼吸”」
『?』
「今までは“基礎”。これからアンタをいっぱしの剣士にする」
それから2年が経った
『ばかやろう!!』
最終選別を受けたのは15の時
普通に鬼も切れるようになったから許可が出たのだ
『“刀”無しで最終選別に行けっての!?』
バカな師匠に怒鳴る
「だってそれアタシのだもん」
『わかってるよ!!』
「アンタがいない間鬼が出たらどうすんのよ。“日輪刀”で鬼の“首”をハネないと死なないことくらいわかるでしょ」
『おうともよ!!それに太陽の光で死ぬこともな!!』
「アタシ今さ。日輪刀の持ち合わせそれしかないの」
いい笑顔
「じゃ、いってらっしゃい」
放り投げられ掘っ立て小屋の外へ
ポイポイと荷物も放られる
『だったらアタシはどうすんのさーーーっ!!!』
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