150.誰ですか？ ページ30
トイレもシャワー室にも
晃一先輩の姿はない。
あんな体で動き回れるわけがないのに
何してるんだろう
ただ気になるのは､
テレビの横に置いてあった小さなボックスがひっくり返って倒れている
散らばった物は
なんだか大事そうなものばかりで
一つに集めて重ねていく
鍵も閉めないで勝手に出ていくには
無防備過ぎる
佑「電話も繋がらない…」
探そうと思っても、
思い当たる場所が浮かばない
部員に連絡出来る状況でもないし
何もないのかもしれないけど心配になる
もしかしてバイト?!
とりあえず､近くを探そう!
立ち上がったとき
ガチャ…と玄関から音がした。
すぐに「ちょっと待って…？」と晃一先輩の声がして
佑「晃一! どこ行って…」
福田くんが玄関の方に向かうと
息が詰まったかのように固まる
後を追って玄関へ行くと
私だと気づくと､頭を掻き乱して目を逸らされる
なんだ…何かあったかと思った
安静にしてなきゃいけないのに
太陽くんがまた心配するよ？
拓弥先輩に飛び蹴りされるかもよ？
ねぇ、
晃一先輩の後ろにいる人は誰？
横を通るだけでタバコの臭いが残る
図々しく晃一先輩が寝るはずのベッドを占領して
そんな人に黙ってお茶を出す晃一先輩。
佑「ねぇ…晃一!」
静かに問いかけると何とも言えない顔で
晃「帰ってくれへんか」
.
*
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 441人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごさん | 作成日時：2016年4月18日 20時
