149.サボり ページ29
.
佑「Aちゃん!」
下校の予鈴が鳴り終わると駆け寄ってきた福田くん
私の鞄の持ち紐を握り､そのまま引っ張られる羽目に
佑「ちょっとだけまた晃一のとこに行きたいなって思って」
まるで捨てられた子犬のよう。
「いいけど､部活は？」
更にギュッと握り締めて
下がっていた顔の位置が少しだけ上がる。
佑「今日だけ｡今日だけ一緒にサボろう」
ちょっと待って
と､止めることなく
流れるように身を任せた
.
「私知らないからね」
レジで会計する福田くんの隣で
過ぎていく時計を眺めていた。
佑「大丈夫!僕達真面目に頑張ってるから!」
レジ袋を渡されるとまた持ち紐を握ってコンビニを出る
佑「さっき晃一には何もあげれなかったし」
「きっと動けない晃一先輩はお腹を空かせてるだろうね」
ベッドに横たわって
腹減った〜、腹減った〜って
泣いてるかもしれない
そんな姿を思い浮かんだ
福田くんも思っていたのか
同じタイミングで吹き出した。
.
佑「晃一〜入るよ〜？」
返事がない､寝ちゃったのかな？
LINEの既読も付かないし
太陽くんから借りた予備の鍵を使って部屋に入る
佑「晃一寝てる〜？」
居るはずのベッドに
晃一先輩はいなかった。
.
*
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 441人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごさん | 作成日時：2016年4月18日 20時
