143.うっかり ページ23
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「戸締りしますよー」
そう声を掛けると、バタバタと出ていく。
「忘れ物ないですか？」
佑「祐基! イヤホン!」
最後に私が一通り確認をして戸締りをする。
「もぉ〜…拓弥先輩片付け忘れてるんだから…」
各ロッカーはむやみに開けない派だけど、
このまま片付けないで放置するのは嫌だから
仕方なく拓弥先輩のロッカーを開ける。
って、間違えた。
晃一先輩のロッカーだった
開けた瞬間、こぼれ落ちる書類。
焦って拾い集め手が止まる。
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「音楽学校…」
専門学校のパンフレットらしきもの
よく見ると、その学校の書類ばかりだった。
参考書とかも沢山付箋が付いてある
普段食べて笑って､ふざけてばかりだけど
こうやって見ると､
志望校にはまだまだ程遠いと
現実を突き付ける模試の結果
それでも､諦めず
見えないところで
いっぱい、いっぱい頑張ってるんだ。
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感極まって目尻が熱くなる
いい気分だったのに
ぶち壊すかのように大きな音を立てて開いた扉
稜「うぉお…! 終わった？練習終わった？」
「…戸締り寸前です」
居残りから終わったのであろう稜雅先輩がやって来た。
急いでロッカーに片付けると
またわかりやすく肩を落として2回目の骨になった。
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海「あれ？わざわざ来たの？」
稜「お前らLINE無視しすぎだろ!」
駐輪場で待っていた4人は
稜雅先輩をいじり始める。
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作者名：いちごさん | 作成日時：2016年4月18日 20時
