137.進路先 ページ17
.
梅雨の時期に入り
昼はじわりと汗が出るほど気温が高くなっていた｡
外を見ると雨が降っている｡
春「雨は湿って気持ち悪いよね」
最近長かった前髪を眉上まで切って
雰囲気が変わった春ちゃんは､前髪を分けるか分けないか手鏡に向けて苦戦していた。
最近このマンネリ化した毎日にだらけてきている。
これが五月病？！
春「そういえば気になったことがあるんだけど」
いい感じに分け目を作ってピンを止めると私の方を向いて
春「ダンス部の先輩たちって進路とか決まってんの？」
「………さぁ」
そんな話聞いたことがなかった。
春「そろそろ受験モードに入る時期でもあるじゃん」
「えー…そんな雰囲気しないんだけどな」
お菓子かゲームばかりのイメージ。
「皆どうするか考えてるのかな…」
春「一応考えてるんじゃない？」
普段しない話もたまにはしてみようかな。
.
拓「さぁ」
「えっ」
軽くストレッチをすると
さらっと白紙な答えが返された。
.
拓「普通に就職じゃねぇの？」
「えっ決めてないんですか!?」
気が早いのか拓弥先輩はそれっきり何も言わなかった｡
一発目に聞く人間違えたな
出席確認をしながら数を数えると､1人足りないことに気付く。
というか、パッと全体見て分かる
というか、今日はあの笑い声が聞こえてなかったから変な気分。
ある意味中毒になる
「晃一先輩はお休みですか?」
近くにいた稜雅先輩に問いかけた
稜「学校で見かけたんだけどね」
誰も何も知らされていないらしい
だいたいお休みは誰かに連絡するはずなんだけどな
考えている間に､海先輩が携帯を持ってグループLINEを開くと、
ナイスなタイミングで
.
今日は休みます。
それだけ送られた文字。
.
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 441人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いちごさん | 作成日時：2016年4月18日 20時
