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突然のジヨンの来店。
ユジュは勿論スンリとジヨンの事を知ってはいるが
実際に見る？会う？のは初だった。
「4階のダンデライオンっていうカフェで待ってて、すぐ行くから。」
私の提案にジヨンはわかったって言って
口角をあげたから微笑んだと分かった。
遠ざかる華奢な後ろ姿は
とてもラフな格好なんだけれど
なんか洒落て見えるから
「うわ……流石じーどらごん…あんな格好でも絵になるわ…。」
ジヨンの後ろ姿に釘付けの
ユジュの言葉はごもっともな物だ。
5分後。
私は予定通り休憩入りをした。
ロッカーから財布と携帯だけ持って
1時間15分の休憩。
ダンデライオンへ向かう。
昼時を少し過ぎているからか
ダンデライオンの中はそこまで賑わっていなくて
中に入って真正面の一番奥。
「お疲れ。慌てて来た？」
「ううん。ぴったりくらいに休憩入れたから慌ててないよ。」
キャップを脱いだジヨンと再会。
そういえば…
メニューを頼んだ後ふと思った。
ジヨンと二人でって無いかも…と。
いつも必ずスンリがいて
そこにジヨンが来るパターンが多い。
というかそういう流れになっていた。
だからか。
頬杖ついて窓の外を見てるジヨンの横顔が
なんか新鮮に見えるのはーーーー
「A、気付いてる？」
ぼんやりジヨンの横顔の鼻筋あたりを見ていたら
ジヨンがくるりとこっちを向いて言った。
「気付いてる？？…何に？？」
脈絡のないジヨンの言葉。
するとやっぱりねって眉尻を少し下げて笑ったジヨンの手が肩に伸びてーーー
「こういうの、同じ店の男共は言わないんだろうけど、俺は気になるから。」
肩からずり落ちていた大きな襟刳を
直してくれた。
"下着が見えてる"とは言わない。
ジヨンの言葉選びにちょっと参る。
しかも私も気にしていなかった事で
どれだけこの人紳士的なんだって。
だから思わず眉間を指で押さえて
わざと険しい顔をして
「ジヨンってジヨンってだけでも罪なのに、こういう事やるから更に罪深き男だよね。」
と呟いた。
ジヨンは何だそれって笑ったけど
正直私は少し照れ隠しもあったんだ。
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作者名：おくも | 作成日時：2020年6月2日 23時
