たどり着く先は【TH】 (ページ4)

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これが恋ならば:3* ページ4

ひどく蒸し暑かった。

セミは一週間しかない命を噛み締めるように鳴き、向日葵はこれでもかという程上を向く。

暑いと騒ぐ学生は汗を垂らしながら項垂れる、夏。

私はもう、限界だった。

お金が無いのにお菓子をねだることが出来なければ、冷蔵庫は電気が止まって使い物にならない。

それよりも、夏風邪で死にそうなお母さんを横目に、お菓子を食べようなんて恐れ多い。

だから、私の足はコンビニへ向かっていた。

いつの間にか空っぽのリュックを背負って、ボロボロのスニーカーを地面に打ち付けて。

アイスを何個もカゴに入れると、防犯カメラと店員から調度死角のところで、カバンにアイスを詰めていた。

TH「……何してんの？」

「………ぁ」

ちょうど店に入ってきたのか、それを目撃してしまったらしい彼奴は、絶賛バレーの練習試合中だったと思う。

ユニフォームを身に纏ったテヒョンは、私のリュックを無理矢理取った。
アイスが数個残ったカゴも一緒に。

レジに置くと、そそくさとお金を払って、私の腕を引っ張りながら店を出た。