たどり着く先は【TH】 (ページ3)

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これが恋ならば:2 ページ3

ペコリと首を下げて、軽く会釈。
振られた手は、返せなかった。

「……こ、こんばんは」

TH「こんばんはー」

それから一連の流れみたいにカウンター席に座って、頬肘をつきながら私を見る。

一重なのに大きな瞳にじぃっと見つめられて＿＿その瞳の奥が真っ直ぐすぎて＿＿思わずそらしてしまった。

TH「……A、おまえは高校生なの？」

「………え」

突然口を開かれたこともあるが、見透かしたような口ぶりに喉が潰れたような声が出た。
黒に数滴茶色を垂らしたような奥深い焦げ茶のクリスタルが、怖かった。

「……なに言ってるんですか？」

絡まってなくてもその瞳に寄越してた目線を、無理矢理体ごと背けた。

こうでもしないと、吸いこまれそう。

勝手に目線が、瞳に向いてしまうから。

TH「んー…別に、俺はバラすつもりはないけど、その内バレるよ。

ただでさえ、母親やばいんだろ？迷惑かけるよ」

もう、吸い込まれてしまったのかもしれない。

なぜかひどく安心できてポロッと零れた涙は、この感情は、中学時代を最後に感じたことなどなかったから。

大丈夫なんかじゃないや。

テヒョンの前だと、ボロが出ちゃう。