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． ページ37
語られたAの病気を聞いた奴らは、一様に皆黙っている。これで、彼女がどうして奴らの誘いを断ることしか出来なかったかが理解出来るはずだ。
海に出て色々な島を回って世界中を見て回る、なんてのは、本当にAにとって幻みたいな夢物語なんだ。
「………あの子があんな夢を持っていたなんて、アタシャ初めて聞いたよ。あの子は賢いからね。主治医であるアタシに言わない気持ちも分かるが」
彼女は叶わないと分かっていたからこそ、あんなにもきらきらした目で夢を語ったんだろう。もう数年、彼女の主治医として観ていたけれど、この海賊共に語っていたようにAが話しているところを初めて見た。
あの子の能力で何を見たのか知らないが、随分とこの海賊達に惹かれているようだ。
その場にいた全員が静まり返った。そんな中、ルフィというあの不思議な船長だけは、やっぱり意味がわからない、みたいな顔で首を傾げていて。
「じゃあそれこそ俺達の仲間になって海に出ればいいじゃんかよ！！」
あっけらかんとした声で、またにししと笑った。
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作者名：幸せうさぎ | 作成日時：2023年1月15日 8時
