眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ31)

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．ページ31

思いを馳せて、夢見ていた。
あの海の向こうに繰り出して、世界中を見て回って、誰より自由にこの世界のことを知りたい。見たい。そしてそれを、自分の手で絵に、物語にして、希望も未来も無い、暗い闇の中に居る人達にも、世界はこんなに広いのだと、私が書いた物語で伝えることが出来たなら、どれだけ幸せか、と。

あのメリー号に触れた時、どんな状況の中でも笑いの絶えない、何より自由に広い海をかけて行くメリー号の姿を見て、涙が出てしまうくらいに憧れた。焦がれた。

その船に、私を誘ってくれているのか。

ぽろぽろとこぼれ落ちた涙はとどまる事を知らなくて、隣にいたゾロがわしゃわしゃと私の頭を撫でてくれるのが、その手が優しくて、余計に心が苦しくなる。この人は、こうなる事を分かっていてあの絵をルフィさんに見せたのだろうか。

行きたい、私も夢に焦がれるだけじゃなくて、叶えたい。

けど、私には、無理なのだ。
私は、この人たちと一緒に旅をすることとは出来ない。