眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ15)

今日:63 hit、昨日:195 hit、合計:646,544 hit

．ページ15

「会ったこともねぇのに解るのか」

「うん、解るよ」

「……ふーん」

「適当に言ってる、って思う？」

「……いや、思わねぇ」

Aは別に嘘を着いていたり心にも無いことを適当に言っているようには見えない。本当に変な女だな、と思っていると、ふふふ、とAは笑った。

「私ね、“物の記憶が見れる”んだ」

物の記憶が見れる……？
突拍子も脈絡もない発言に、疑問を抱く。

「貴方達の乗ってる船、メリー号にの“記録”をね、さっき、少しだけ見せて貰ったの」

勝手にすみません。とAは謝った。
俺はあの船の名前が“メリー号”だと話していない。その話は本当なんだろう。

「……能力者か？」

「うん。私は……あらゆることを記録し、そしてあらゆる記録を読み取る事ができる、記録者の実。ロクロクの身を食べたの。
触れた物に宿る、思いとか記憶を断片的に見ることができるんだ」

Aは静かに話し出す。

「絵を描くのが好きで…。でも、私は何も知らないから……。
……世界のことが知りたくて、船がこの島に着くと、その度にこっそりその船や、船に乗ってきた人達の持ち物に触れて、外の世界の記録を見るの。」

「……なるほどな」

「でも、貴方達のメリー号の記録を見た時、驚いた。
……断片的だけど、すごく大切にされてるんだなって伝わってきて。」

だから貴方の言いたいこともなんとなく分かるかも。と笑った。