眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ14)

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ウチの船長が海賊王を夢見てる話をした時も、Aは少しも馬鹿にする様子なんて見せずに、むしろ逆で、その目をきらきらと輝かせながら質問をしてくる。こういう反応は意外と新鮮で。悪い気はしなかった。

「……いいなぁ」

「なんだお前、海賊に憧れてるのか」

「違うよ、海賊なんて別になりたくないもん」

「あぁそうだろうな」

そりゃそうだ。「正直俺も海軍に追われる生活なんか真っ平御免だと思ってたしな。」と応えると、Aに

「じゃあなんでゾロさんは今海賊をしてるの？」

なんて聞かれる。
当たり前なその疑問に、どう答えるか考えあぐねた。
世界一の剣豪をただ目指していただけだった。だが、ルフィと出会って…。仲間になれとしつこく迫られて、気付けば一緒に旅をしていた。けれど、この選択に後悔なんてひとつもなくて。

「……まァ、てめぇもうちの船長に会えば解るさ」

「……そっか、まぁ、なんとなく解るよ」

なんだそれ、と一蹴されてもおかしくないような適当な返しをしたのにも関わらず、Aはふわり、と優しく笑った。