眠り姫、誘拐。【ONEPIECE】 (ページ2)

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暖炉に火をつけて、部屋を温めながらぼんやりとした頭でとりあえず暖かい飲み物を作ることにした。

体を温めよう。今日は……甘さのないカフェオレを。

この家には私以外の人は居ない。

それどころか、私の住んでいる小さな小屋は1番近い街からも少し離れていて、海に近い所にある。
火にかけられたミルクパンが奏でることことという小さな音以外は何も聞こえない。

この静かさが私は嫌いじゃない。
嫌いじゃないけれど、どこか寂しさも感じていた。

作りすぎてしまったカフェラテは半分以上残して、小屋を出る。

今日は何となく体調が良さそうな上、外の明るさ的にまだ午前中だろう。

最低でも4.5時間は問題なく活動できるだろうと予測して、私は海を見に行くことにした。

ここから少し歩けば、海が見える。

見えるのは、いつだって殆ど同じ景色だし、
ここは冬島だから、一年中空は白んでいるか曇っていて、透き通るような青い海には見えないけれど。

それでも、私は、見渡す限り広がる水平線を眺めるのが好きだった。

慣れた雪山をさくさくと降り、いつもの場所ーー。海岸沿いの崖にある木の上に登る。

グランドライン前半に位置するこの島には、度々海賊船がやってくる。

私は木の上(ここ)で、木の葉に隠れいつもそういう船を見たり、水平線の向こうに広がる世界を想像するのだ。

スケッチブックを開くと、私が今まで描いて来た数多の海賊船や空想上の景色が広がる。

そして今日も私は、

この海の向こうへ思いを馳せるのだ。