【ブルーロック】五臓六腑がとまるまで【凪誠士郎】

秋風と出会い。 ページ1

放課後の学校は、
嫌いじゃない。

歩く人も少ない廊下。電気の消された教室。
遠くから聞こえてくる吹奏楽部の音楽は最近流行っている曲だ。たしか、ドラマの主題歌とかそんなんだった気がする。
何をしているのかよく分からない男子生徒達が大声で笑いながら駐車場を駆け回っていて、
グラウンドの外回りを運動部が列になって走っている。
お揃いの掛け声をピッタリ合わせながら２列横隊で走るその姿は、私から見ればなんだか滑稽で少し面白かった。



片田舎の、地元の人達が通っているような。こんななんの変哲もない中学校。

こんな場所でも、こういう放課後にはきっとどこかで、なんか青春っぽいことも起きてるんだろうな。

例えば、少年漫画に出てくるみたいなスポ根ストーリーとか。はたまた少女漫画みたいな恋愛とか。そんなんじゃなくても、放課後の学校で友達とくだらないことを話しながらダラダラと居残りしているだけでも。十分、青春っぽい。


まぁ、そんなことすら、私とは無縁だけど。



そんな青春の音をBGMにしながら、この私だけのお気に入りの場所で。いつも通り本を読もうとして、読みかけの本に手をかける。
けど。ふと、本を開こうとした手を止めた。

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