【ブルーロック】君に夢を託したい。【千切豹馬】

余韻 ページ38

試合は無事終了して、続く今日の他の試合も全て終わった。
私は1人自分の仕事部屋に戻って今日も選手一人一人に合わせた夜のトレーニングメニューを作成する。昨日の晩に千切さんには「もういい」と言われたけど、それで辞める訳にはいかない。
しっかり千切さんの分も作成し終わり、私の一日の業務は基本終わりだ。夜6時以降は一応自由時間となっている。


だからといって何かやりたい事がある訳でもなくて。

6時以降、私は基本大学に提出するためのレポートを書いたりサッカーについて勉強したり、選手の映像を見返したり...とやってる事は昼間とそんなに変わらない内容だった。


それにしても、昼間の伍号棟第4試合を思い出す。

あんなに間近でサッカーの試合を見たのは初めてだったから...かもしれないけど、

「あの最後のシュート...凄かった。」


正直な話、潔 世一という選手のデータを見て、私は『至って平凡だ』と彼の評価を定めていた。
事実、かれの身体能力は本当に特筆すべき事は無いのだ。

ならば、彼の最後のシュートは、一体どうして、なぜあんなにも私胸を熱くさせたのだろう。


(だめだ、分からない。分からないことは気になる。)


今日の試合データを見返そう、そう思ってパソコンを起動する。なのに

(しまった、あの試合は現場で観戦したからデータをpcに送信するのを忘れてた...)

今はもう夜も遅い。この時間になると制御管理室はセキュリティの為施錠されてしまうし、こんな時間に絵心やアンリさんに連絡するのは気が引ける。

(でも、もう一度あの試合の映像、あの最後のゴールを見たい......)


「あ、そっか」


あそこなら見れる。この時間ならきっと人もいないし、誰にも迷惑をかけないだろう。

そう思って私が向かったのはチームZのモニタールームだった。

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