【ブルーロック】君に夢を託したい。【千切豹馬】

Z ページ3

と、意を決して扉に近づいたのに。

……これ、自動扉だ。しかもロックがかかってる。


「……はぁ〜〜〜」


もはやため息の域を超えて大きな独り言だ。
悪態をつかなかった自分を褒めて欲しい。

しかし扉にちゃんとした表示が成されていたのはこの部屋が初めてなのだ。
もし適当に入った部屋が個人のプライベートルームとかだったら其方の方が問題な気がする。

事前に聞いた話によるとこのブルーロックは300人の男子生徒が入寮していると聞くし……。

仕事内容の説明からしても、私は生徒と個人的に関わることは推奨されない気がする。んー。



部屋に入ろうと意気込んだ気持ちをぽっきりおられて気が抜けてしまった。

ただでさえ普通の一般人女子高生がこんな大層な見た目の建物にたった1人で訪れているのだ。
内心緊張もかなりしている。そんな中、建物内とはいえかなりの距離を歩かされて心身共に疲れ始めて来たところだ。

Zと書かれた扉の前にもたれてここからどうするか考えていると、
ｳｲﾝ､という小さい機械音と共にもたれている扉が動いた。


「えっ、」

(うそ、さっきまでロックかかってたのに。解除されたってこと？？)


頭では理解していても対応するのは難しい。
体重をかけていた壁が突然無くなった私の体はそのまま部屋の中に倒れ込むわけで。

とす、とお尻から着地してしまった。「っわ、」と小さく声を上げてしまったものの、私のその声はもっと大きな怒声にかき消されることになる。

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