【ブルーロック】君に夢を託したい。【千切豹馬】

抱える闇 ページ12

side帝襟


「……Aちゃん…大丈夫なんでしょうか。」
「あ？？何を心配することがある、このバカ胸が」
「なっっ！！？」

うう、耐えろ…耐えろ帝襟アンリ…
くぅ、ここに来てからというもの、絵心さんにはバカにされっぱなし…！！まるで絵心さんのマネージャー…

いや！！それもこれもW杯で日本を優勝させるため…！こんな苦労、選手に比べたら屁でもないわ…！でも…

「275人に一人一人トレーニングメニューを作ってさらに毎日フィードバックをしろ、だなんて、流石に無茶が過ぎませんか…？そんなんだと、Aちゃんが潰れちゃったり…」

そうなっては困る。そう言いかけた言葉を、絵心のニヤリと笑った笑みを見て飲み込む、

「…！笑い事じゃ、！」
「こんなレベルで潰れる人材を、わざわざヘッドハントしたりしないよ」
「…ヘッド…ハント……？？」
「ああ、あいつは俺が見つけ、支配し、ここに連れてきた」
「え、えぇ？支配って、え、？」

絵心さんが何を言っているのかいまいち分からない…気がする。支配ってどういうこと？？って聞いてやろうと思ったのにそんな私のことを気にも止めずに絵心さんは話し続ける。

「Aちゃんは既に300人全員の個人データを頭に入れてる。身長･体重･筋肉量…過去の怪我、病気の有無、戦歴…」
「っえ…？そんなこと、まさか…」
「いや、聞いてみろ。多分答えられるぞ、あの子はね」

ケラケラと絵心さんは至極楽しそうに笑っている。でもそんな、300人の情報を叩き込んでくるなんて…もし本当だったらすごいプロ根性……

「覚えるだけなら時間をかければ誰だって出来るさ、それこそデータで管理すればいい話だしな。あの子の凄さはそこには無い？」

「？？…つまり……？？」

？？？ダメだ混乱してきた、絵心さんが何を言いたいのか全然…わからない…

「あの子に資料を送ったのは2日前のことだ。それから今日ここに来るまでで全データを頭に入れてきている。ここまで来るとヲタクの域だな」

「は……？？」

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