恋と微炭酸ソーダ 〜そらまふ〜

チャイムの音 ページ39

貴方side


またね、と手を振り、翔太と別れる

家に入って、お母さんに只今を言って、部屋に籠る

読み途中の文庫本を手に取ったその時


ピーンポーン


家中に響き渡った、チャイムの音



ピクリ、と指が反応した



焦る気持ちを抑え



階段を降りて、ドアを開ける




そこには、彼方が立っていた


彼方「いきなり、ごめんね｣


なんて、言って笑った彼の笑顔は、



儚くて、壊れてしまいそうなくらい、


綺麗だった








作り物のように



貴方「……どうしたの？｣





私は、ゆっくりと問いかける



彼方「伝えたいことが、あるんだ。｣








告白、という二文字が、


ふっと頭によぎった






……やめて





私はまだ、答えを出せない







彼方「たくさん傷つけた。泣かせた。それでも俺は、Aのことが好き。｣









自分勝手な、言葉だって、私もわかってる





それでも、嬉しい、という感情が溢れて止まることを知らないんだ。




馬鹿だな、もう……





断ろうと思ったのに




私からでてきたコトバは








貴方「……考え、させてください｣

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