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昔お母さんが言ってくれた
「蒼、あなたは愛されるために生まれてきたのよ」
『愛される?』
「そうよ。私にも、お父さんにも。だからこれからもいい子にしててね?」
『うんっ!!お父さんもお母さんも大好きっ!!』
ねぇ、、どうしてなの?
母さん、、、僕、いい子にしてるつもりなのに、、どうしてこんなに、、辛いの、?
『お父さん、』
「なんだ」
『薬がきれそうだから、、』
「あぁ、あれか。もう3ヶ月経つのか
なら、日曜に一緒に病院に行こう。いいな?」
『………』
「どうした。一人で行くつもりだったのか?」
僕は頭を横に振る
「なら予約しておけ」
バタン
扉が閉まった
侑李が靴を履く
その姿に僕は行ってらっしゃいなんていえなかった
バタン
家に1人になる
お母さんが出ていったあの日から毎日頑張ってるはずなのに
ずっと頑張ってるつもりなのに
どうしてこんなになってしまったのだろう
たとえあの頃に戻れなくても家族のたまに頑張ればみんな幸せになるはず
そう、、信じてたのに_
何がいけなかったんだろう
僕は、何を間違えたんだろう
〜昔〜
「ほんと、蒼くんはいい子ね。こんな素晴らしい息子をもててお父さんも安心だわね」
『そんな、大したことは別に何も
でも昔お母さんがいい子でいてねて言ってたからだからみんなのためになることをしようと思って』
「……そっか。
でもね。人のことばかりじゃなくてたまには自分のしたいことをやりたいようにするのも大切なのよ」
『自分の、やりたいこと、?』
そんな時
「お兄ちゃん!」
『んー?』
侑李がしゃがんでいる方に目を向ける
「アリの行進だよ!」
興味津々そうに見つめる侑李
『ほんとだ。住宅街にもいるんだね』
「ここにいるのは働きアリの8割りで2割は家でサボってるんだって!」
『聞いたことある。よく知ってるね侑李』
「侑李も家でサボるの得意だからね!」
『でもみんながサボったり食料を運ぶひとがいなくなっちゃったら、?』
「みんながサボるとその中から自然に働きアリが出始めるんだよ」
『働きアリの法則だっけ?』
「不思議だね。どうせ誰かがやり始めるんだからか最初からサボってるのが1番幸せだよね〜」
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作者名:まるです。 | 作成日時:2022年6月1日 4時