早くお父さんが死にますように (ページ15)

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｢どうした。今日は上の空じゃないか｣

ふと頭をよぎる夕食の時

侑李はいつもより機嫌が悪かった

｢侑李か｣

『別に、、、』

｢お前がそういう顔をするのは珍しい｣

『侑李はもう、、僕のこと嫌いだから、、』

溢れる涙を抑えられなかった

｢はぁ、、兄がいるからって私も少し侑李には甘すぎたようだ｣

嫌な予感がした

『ど、どうするつもり、？』

｢簡単だよ。痛みに人は耐えられない。

お前もよくわかってるだろ？｣

ニヤッと笑うあいつはこの世で1番汚い人間だった

その言葉通り、朝からお父さんは侑李を殴った

バシッ！！と響くおと

僕は黙って見ていることしか出来なかった

｢いいか。これからは自分本位な行動は許さん。わがままを言うのは以ての外だ｣

僕は後ろで

『侑李、、言うことを聞いて、、、』

｢返事は｣

それでも侑李はそっぽを向いた

そして、お父さんが侑李の顔を目掛けて蹴った

小さな体は宙を舞いソファに頭をぶつけた

顔を上げた侑李の鼻からは血が出ていた

思わず僕は侑李の元へ走った

『これ以上はやめてっ！！！死んじゃう！！！』

侑李を抱きしめながらいう

｢ふん。言うことを聞かない方が悪い。
言うことを聞かないのなら生きる価値もない

やめろと言うならお前がちゃんと教育をしろ。

続きは帰ってきてからだ｣

玄関の閉まる音がした

侑李は僕の体をぽんとおす

『侑李、血が』

｢もう治った｣

そう言って鼻血を手で拭いランドセルを背負う

『ちょっと、あんなに殴られたんだから休みなよ！』

｢お兄ちゃんはさ、

侑李を守ってるつもりかもしれないけど違うよね｣

今まで聞いたことの無い落ち着いた声で告げられた

『な、、何言って、？』

｢守るなら最初から侑李が殴られる前に庇えばよかったじゃん

お兄ちゃんが1番大事なのは侑李じゃなくてお兄ちゃん自信だもん

そんなの、、、お父さんと変わんないよっ！！！｣

パンっ！！！

かわいた音が響いた

叩くつもりじゃなかった

そして、口も勝手に

『知ったような口聞くなよっ！！！！』

｢っ、、、、もういいっ！！！｣

そう言って出ていった侑李

違う、、、そうじゃない、、、

こんなことをしたいわけじゃない、、、

ただ、、ほんとに、、普通に生活したいだけなのにっ

『うわぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁっ！！！！』