10年先まで (ページ8)

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そして朝を迎えた

8時40分に山田さんの自宅前に着く

電話をかける

ニコール目で山田さんは電話に出る

『もしもし。おはようございます。入口に車を止めてあるので9時までには必ず乗車をお願いします』

「ほーい」

軽い返事をされ電話は切られた

すぐにマンションの扉が開き車に乗り込む山田さん

『早いですね。9時まであと10分はあるのにゆっくりで良かったんですよ』

といいながら車を出す

「早く来てくれるなら早く現場入って現場を見ておきたい。ただそれだけ」

『そうですか。山田さんは真面目ですね』

「そんなんじゃない。ただ、人よりも劣ってるからその部分を補うためだよ。」

『、、、、、そーですか』

俺は何百倍も劣っている

いつどうなるか分からない中俺は毎日を過ごしている

俺は何を思ったのか口走り聞いていた

『もし山田さん自身があと10年しか生きられるかどうか分からないと言われた時、、何をしますか』

その答えに何かを期待していたのかもしれない

たくさんの経験を積んで、色んな苦悩を乗り越えた山田さんの答えに俺は期待をしていたのかもしれない

でも、帰ってきた言葉は

「俺は＿＿＿何もしない」

だった。

一瞬、戸惑った