10年先まで (ページ17)

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『ただいま』

「おかえり。涼介大丈夫だった？？」

『うん。元気そうだった。体調も良くなってきて明日まで入院だと』

「そっ、か。」

兄貴が言葉をつまらす

『なに。どーしたの。』

そう聞くと

「お前、、この仕事辞めるか」

そんな話を切り出された

『え？？いきなりどうしたんだよ

兄貴からこの仕事誘ったくせに』

なんて少し笑いながら兄貴に聞き返す

「いや、、お前の気持ちになって考えた時さふと思ったんだ

お前この仕事やりたいんじゃなくて、やらされてるんじゃないかなって」

『、、、、』

「今までずっと、病院に引きこもって大学も中退して、周りとは違う生活をしてきた

その中で、自分だけがまだ、取り残されてるから意地でやってるだけなんじゃないかなって、、」

言い返せなかった

兄貴なりに考えて提案してきたんだと思う

この1年半濃かった

白い壁で塗り方まれたあそことは違い確かに外の方が鮮やかで、生きてる心地がした

だから、

『俺はやらされてはたらいてるなんて思ってないよ。

兄貴のおかげで今の俺がある。

朝起きて何しようかと考え一日が終わる。

そんなモノクロの世界から救ってくれたのは紛れもない兄貴なんだ

俺はこの仕事に魅力を感じて、やりがいを見つけた。

だからやってる。

確かに、最初は路肩で見守る歩行者じゃなくて、交通者になりたくて兄貴の言われるとおりにやってた

でも、、、山田さんや、メンバーを見てると、そんな後ろめたさを埋めるためにやってる事が嫌だった。

だから、俺はここにいる。

やりたくてやってる。

今なら胸を張って言える』

この言葉に嘘はなかった

ファンを笑顔するためには手段を選ばない人達だったから

その努力を知って魅力を感じた

それこそ、、山田さんに

人一倍頑張りやな山田さんに俺は、、、

『っ、、だから気にしなくていいんだよ。兄貴。ありがとな』

「そか。良かった。俺が間違ってるんじゃないかって心配で心配で、、、、」

兄貴が涙をポロリとこぼした

ズキン

また、たった1人大切な家族を傷つてしまった

そんな自分が嫌になる

だから最強の武器の笑顔を見せた

『俺は大丈夫だからっ。』

兄貴はそれに微笑み返した

兄貴は知らない

この笑顔に隠された本当の気持ちを