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窓の縁に座っていると、心地よい風かフワッと部屋に入ってくる。
『・・・今日も平和だな。』
窓から下を見下ろすと、人々が楽しそうに暮らしている。
ここはES王国にある城の一室で、私の部屋だ。
部屋の外にはしっかりと見張りつき。いつ敵襲が来てもいいようにだろう。
けどずっと城の中にいるのは退屈だ。
1人で城外を出歩くのは禁止されている。
1人でゆっくりしたくても、できないのだ。
『ねぇ、そこにいるんでしょ?暇だから相手してよ。』
ドアに向かって声をかける。
するとギィと音を立てながら、ドアが開いた。
凛「何か御用でしょうか、王女様。」
『それやめてって言ってるじゃない・・・。敬語と、その王女様呼び。2人きりの時は普通に名前で呼んで欲しいの。』
凛「少しでもAに無礼があれば怒られちゃうからね〜。もしこのことがバレたら、ちゃんと責任とってね?」
『当たり前じゃない。』
凛「それで、相手って何をすればいいの?」
『うーん・・・、じゃあ今日は天気がいいから、庭で紅茶を飲みながらお話を聞いてくれない?』
凛「いいよ、Aの仰せのままに。」
『だから、その堅苦しいのはやめてって言ってるじゃない。』
凛「はいは〜い。ほら、行くよ。」
目の前に差し出された手を握り、窓の縁から降りた。
握った手は温もりがあり、人間味があった。
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作者名:するめ | 作成日時:2022年4月4日 11時