【MHA】暗黙の姫【ver.4】 (ページ43)

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No.193 ページ43

「及び、雄英高校から寮を作るためにヒトを借りたいと依頼を受けた
　睦月と如月と弥生は雄英高校へ向かえ」

「はい」

「失礼します」

三人は私たち二人に一礼して部屋から出て行った

そんなに呆気ない最後でいいの？

ずっと一緒にいてくれるって信じて疑わなかったけど

いなくなるの？一緒にはいてくれない？

『父様、彼らは今後父様の下で動くことになるのでしょうか』

「そうだな」

『私たちと行動することを許可していただくことは？』

「不可能だ」

「そんなに嫌ですか」

「嫌も何も、俺のものだ」

嫌な言葉だ

彼らは誰のものでもない

ましてや、彼らにも自由はあるのに奪ってしまっている

『あの人たちはモノではありません』

「ならばどうする？お前はその十二人を今後どうするつもりだ？」

「やめてA！こんなことで今争っても駄目なんだって！」

『私はあの十二人との思い出を失いたくありません
　関わりをなくしたくありません』

彼らに自由を

我々に正しい判断を

輝く未来は誰ひとりとして平等に与えられるもの

今それを奪っているならば返さなければいけない

「お言葉ですがお嬢様方、我々は望んでここにいます
　今後とも離れるつもりはありません、兄たちも同様です
　総長の下で動くとなっても永遠の別れではありませんので
　ご安心ください」

卯月がそんなことを言っても

私は何も信じられなかった

そんなものはただの取り繕った言葉にしか聞こえなかった

「A、子供みたいなワガママ言わないで
　私たちはいつかこの組を背負うんだよ？そのときには
　十二人はいないかもしれないの、だからそんなのでいちいち」

『そんなことじゃない！私にとっては大事なことなの！
　雪都の名を背負う以上、私の自由も奪いたくないの』

「おまえのその弱さが今彼らの自由を奪ってるの！」

言葉が出ない

姉様だって嫌がっているのは知ってる

「父上、提案があります
　その六人分とまでは言いませんがこちらで人材を確保しています
　彼らを雪都に仕えるモノとして受け入れてもよろしいでしょうか」

「好きにしろ」

「お前ら挨拶しろ！」

豹変

姉様は取り繕った笑顔から素に戻った

いつもの姉様

「新月とユキ、いえ！愛お嬢様に名づけていただきました！」

「三日月だーですの、お嬢様の味方なんだぜですの！」

「俺はユキお嬢様を愛しています！」

「十六夜、お嬢、好き」