No.185 ページ35
「コイツの個性は無効化、お前の個性も無効化
常に発動しているんだ……分かっているだろう？」
『姉様を離して』
「選べよ、俺たちの捕獲か姉の命か」
「あんただけでも逃げな！」
『嫌です！』
拘束具が外されたってことはあの子一人でも逃げれるはずだし
私たちのことを捕まえることもできるはずなのに
お姉さんのことを重視しているのよね
『「離して」』
「おいおいお嬢さん、冗談もそれほどに」
「くそ、黒霧！」
本当に離しちゃったわ
声が二重になるタイミングが個性発動の証拠みたい
黒霧ちゃんってば行動が一歩遅かったわね
「しゃがめ！」
音速とまではいかないけど早い行動と反応
そして衝撃波
この空間に夜の光が入ってきたの
私たちの敵、国民の味方
ヒーローの存在と共に
「私が来た！」
「我らは雪都、いざ参らん！」
「ああくそ、邪魔ばっかりだ！黒霧、先生！」
ダメね、パニックだわ
こんな状況だもの仕方ないけれど
ゾクゾクするわ
これ以上の楽しみがあるのかっていうくらいね
「逃げますよ」
「ほいよっ、雪都の妹は貰うぜ」
「待て！」
個性の効かないユキちゃんを捕まえずに妹の方を捕まえて一緒に逃げるわ
黒霧ちゃんの個性って真っ暗な空間に行くわけだから安心するのよね
……満たされるって感じ？
「A！」
「むっ、キミはヴィランの……」
「卯月っち！Aを早く取り戻して！」
「……愛お嬢を保護しろ、俺はAお嬢を追いかける
ヒーローの旦那、その方は我々が保護します」
愛されるっていいわね
さようなら
ユキちゃん
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