No.167 ページ17
「個性被ってるよねー……しかも範囲広そうだし
上位互換？」
「そんなことないと思うけどなぁ、姐さんちょっと特殊なんで
喋ること全部個性として発動したり
色々努力してるだけなんで」
「喋ること全部個性になるとかやばいね」
「だからそんなに上位互換ってわけでもないんですよ
きっと貴方たちも努力したと思うけどやな
姐さんはそれ以上の努力をしているまでやし、そんな変わらんって」
にっこりしながらそんなこと言われると努力って怖いわ―
若いっていいなーって思っちゃうよね
そういえば洸汰どこに行ったんだろう
「あー……姐さん、早めに帰ってきてくるんやで」
「え？」
「いえ、今どうやら洸汰坊ちゃんの秘密基地にいるらしくてな
ワシの個性が文字っちゅーんですけど、それで会話してる感じでな
とりあえずどこにいるか分かってるってことだけやな、はい」
「文字も、書いたら発動しちゃうのよね？不便じゃない？」
「読みはともかく書けんしなぁ」
ははは、と笑い飛ばされた
……雪都組って恐ろしいわ
「国民と、ヒーローを守る立場の子に
いつかなるのよね、雪都Aさん」
「そうやな、それが姐さんの生きる意味でもあるし
そういう風に育てられてんからな」
「生きる意味？あの子、まだ十五とか十六でしょ！？」
「それが姐さんの求めたものやからしゃーないねんって
そうやって肩入れしてると後でつらくなるんは自分やで？」
本当に、怖いわ
何でそんなに平然といられるのか
青春だってしたい年頃のはずなのに、感じないし
ヒトとズレてるのかしら
あーもうわかんない！
「姐さん、眠いんだったら早く帰ってきてくださいよ
緑谷坊ちゃんに迷惑とかかけんといてな」
「緑谷君も一緒なの？」
「みたいやわ、はぁ……ったく、もう！」
「明日肝試しするつもりなんだけど、彼女大丈夫？
起きられる？」
「何時から？」
「えーっと、夕飯食べ終わってから一時間後くらい
大体八時くらい？かしら」
「まぁ、八時なら……十時で多分寝るんで、最近は平気そうやけど」
寝る時間早すぎるんじゃない？
イマドキの子って十二時超えても起きるって聞いたんだけど
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