【MHA】暗黙の姫【ver.4】 (ページ11)

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No.161 ページ11

「ヒーローになりたい連中とつるむ気はねえよ」

子供とは思えないほどの言葉

すごく身体が重い、痛い

そんな僕の目に映って耳に入ったのはAだ

『雪都組次期総長、雪都Aと申します
　ヒーローになりたいだけにここにいるわけじゃありませんよ』

「……文月の主って言ってたやつか」

『ええ、文月たちの主に当たります』

「さっきの、どういうことだよ
　何でヒーローを育てるとかいう学校に通ってんだよ」

『国民を守るために、強くなるために
　責任を負えるようになるためです』

「……意味わかんねぇ」

さっきまで体調が悪そうだったのに

彼の目線までしゃがんで話をしている

握手までしてる

僕と違ったカリスマ性があるから、かな

あんな風になりたいな

「……名前、もう一回言って」

『ゆきみやAです』

「ねぇ、あんたに文月とかの主が務まんの？」

『務まらなければ彼らは私と一緒にいませんよ』

「あっそ、付いてきてA」

まだちょっとツンツンしてるけど、話してもらえてるの

……やっぱり、Aは誰とでも打ち明けられるんだな

僕とは違う、明らかに見える魅力

「すごいな、Aは」

「緑谷君も凄いぞ」

「飯田君」

「確かに雪都君はすごい、だが彼女にない凄さをキミは持っている
　逆にキミが持っていない凄さを彼女は持っているんだ
　もちろん、俺やほかのみんなも」

「……うん、そうだね」

Aを筆頭にして建物の中に入って、荷物を置いて

色々……着替えたりは出来なかったけど、ちょっと休憩

全員で食堂に集合して夕食を貰った

「わたくしの浴室ほどの大きさですわね」

『私の部屋と同じくらいかな？』

「くっ……家の違いがはっきりと、分かってしまうけど
　Aはちょっと分かりづらい！」

『今度来る？』

「え、いいの！？」

魚も肉も野菜も

どれも贅沢でしかも美味しい

ご飯は土鍋で炊いたって聞いた

食べている間はAの家の人やヒーローの二人は

忙しなく動いてくれていて

その中でも洸汰君は、文月さんから離れようとしなかった