8 特殊 ページ9
A side
「よし、じゃあタイマンを」
犯人が言い終わる前に匠くんが動いた。
そう、ロケットランチャーを担いでいた。
「くたばらんかい犯人!!!!!!!」
ドカーン!!!!!!!!
先程の爆発音とは比べ物にならないくらいの爆発音が響いたが、
匠くんは私を抱きしめて爆風から守ってくれていた。
「つぼ浦ぁぁぁぁ!!!」
「くっそ、つぼつぼ!やるな100点だ」
「ありがとうございますキャップ」
すぐに匠くんの上司であるキャップさんが来て褒めていた、これは俺からの特別ボーナスだ、と5963円もあげることも忘れずに。
「A!大丈夫だったか?!犯人に酷いことされてないか?」
こっちは匠くん経由で仲良くなったオルカちゃん。
いつも元気で走り回っていてとっても可愛いこの街に来て初めての女の子の友達で、よくパトロールだと言ってレギオンに遊びに来てくれている。
オルカちゃんは匠くんから私を奪い取り、抱きついてきた。
「オルカ、Aを少しの間任せても大丈夫そうか?」
「あぁ!いいぞ!オルカに任せとけ!」
匠くんは頼む、と言うと私を見てすまなかったな無事でよかったと微笑んだ。
「匠くんが来てくれるって分かってたから、少しだけ怖くなかったよ!」
「今日はケーキを買っていくから楽しみにしていてくれ」
じゃあな、と犯人を護送していった匠くんを見送ってからオルカちゃんに一応事情聴取をしたいからと言われ、車に乗せてもらって本署へと向かった。
「いやあ、びっくりしたぞ!Aが人質に取られたって匠が急に騒ぎはじめてな!」
みんな冗談半分で向かったら本当にAだったからなんで分かったんだって少し引いてたぞ!
そうオルカちゃんに言われて匠くんの名誉のためにも、と私のためにGPSをつけてくれていることを話すと、なるほどな!後でみんなにも説明しておくな!とにこにこ笑顔でそう言ってくれた。
よかった匠くんの名誉が守られた…!!
「匠とはどこまでいったんだ?」
「べ、別に今までと変わらないよ…!
朝起こして、送ってもらってお昼一緒に食べて迎えに来てもらって夜ご飯食べて一緒に寝てってだけで…」
「オルカはそういうことは分からんけどな!
らだおやネルが言ってるぞ?お似合いだってな!」
そうオルカちゃんに言われて、少しだけ嬉しかった。
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作者名:のえた。 | 作成日時:2024年3月7日 2時