6 特殊 ページ7
A side
踏ん張りが効かなくてそのまま匠くんの腕の中にダイブしてしまった。
匠くんって突然、びっくりするようなことするよなあと思いながら匠くんの顔を見上げると、いたずらっ子のような笑みを浮かべていた。
「いや、まだ彼女じゃねぇ
だがそのうち彼女にするからうちのAをよろしく頼みますね先輩方もお前らも」
「え、匠くんなんてこと言ってるの…!!」
突然そんなことを言い出した匠くんにびっくりしていると、それは私だけじゃなくて周りの人もまさか匠くんが…みたいな顔をしながら驚いていた。
「じゃあ、俺たちはここで失礼しますね〜」
そういいながら私を助手席に下ろして、そのまま匠くんが運転してくれた。
何回、代わると言ってもこのくらいじゃ俺は死なねぇから大丈夫だと言って聞かなかったので仕方なく運転してもらった。
そんなことより、私さっき告白された…?
匠くんから…?
「あー、Aさっきの言葉忘れんなよ俺は本気だからな」
そう言って笑う匠くんはとってもかっこよくて私は頷いてずっと離さないでいてくれてる手を握り返すことしか出来なかったけれど、
匠くんはびっくりしたのか急ブレーキをふんだ。
「あぶねぇ…っ、Aが可愛すぎて困んだよ俺は」
あんまり可愛いことするなと謎のお叱りを受けた。
その日は、帰ってきてからすぐにお風呂に入り、
デ ヤンスさんから頂いたホットドッグと作り置きしてあったスープを食べた。
匠くんは余程疲れていたのか食べながら寝ていて、起こすのも可哀想かなあと心配しつつベッドの方が眠れるしな…と心を鬼にしてなんとかベッドに連れていくことに成功した。
「じゃあ匠くんおやすみなさい」
「あぁ…?Aはなにやんだ」
「食器とか洗わなきゃ」
「そんなの明日にしよーぜ、俺がやるからよ」
匠くんは私の腕を引っ張り私をベッドの中に連れ込んだ。
私を掴んで話さない匠くんに今日くらいはいいかと思い、
2人で今日の話をしながら、うとうとしていると匠くんに抱きつかれた。
「A今日の、本気だからな」
「私、分かんない…」
「だから、それを分からせるために今日から俺は頑張るんだよ」
そう言ってもっと強く抱きしめてくれる匠くん。
それが心地よくて匠くんの体温が暖かくて
「Aおやすみ」
匠くんのその声を最後に眠りについた。
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作者名:のえた。 | 作成日時:2024年3月7日 2時