17 特殊 ページ18
つぼ浦 side
牧田ここなの車に乗ったAに手を振り送り出してからカニくんの方を見ると、カニくんは俺の顔を見てなにか驚いたような顔をしていた。
「どうしたんだカニくん、俺の顔になにか付いてるか?」
「いや、つぼ浦さんってAさんには優しいんすね…」
「いやいや、何言ってんだ俺は誰にでも優しいぞ」
何を言い出すんだと思ったがカニくんは少し勘違いをしているらしい、どこか頭でもぶつけたか?と心配したが、俺の勘違いっすと言われたのでよかった。
「それより、さっき何してたんだ?」
「嫉妬っすか?可愛いとこもあるんだつぼ浦さん〜!」
「あぁ?Aに変なこと吹き込んでないか心配してるだけだ」
ニヤニヤしているカニくんにバットを構えると、すいませんすいませんと慌てだしたので構えるのをやめる。
「Aさんにボイス撮ってもらってただけですよ」
「はぁ?!ボイスだと…?!」
「さっき俺聞いたんですけど、めっちゃよかったっすマジで
つぼ浦さんも欲しい?」
Aのボイスなんて、欲しいに決まっている、とすぐにスマホを取りだし、今日何番だ、と聞く。
「いや〜、つぼ浦さん話がはやくて助かるな〜」
「当たり前だろ、はやく言え」
162番です、と言うのですぐ1000万振り込む。
はぁぁ?!?!と、叫び声が聞こえすぐにボイスが送られてきた。
題名は、Aと書いてあってすぐ再生する。
『匠くん、今日も一日頑張ってね』
短いボイスだが、俺は破壊力がありすぎて倒れた。
「すいません、つぼ浦さんAさんが可愛すぎて倒れました」
カニくんが入れた無線に、全員怪しむことなくむしろあぁ納得な、と受け入れていた。
「つぼ浦さん、実はあと2つあるんですけど、どうっすか?
あと一つはあげますよ」
「くそ、やるなカニくん、そうやって俺からボイス代も治療代も取るつもりだな、考えたな」
救急隊がすぐ来て、その場で起こしてもらう。
これは不慮の事故ということで半額にしてもらい、そのままスマホを開いてカニくんに1000万を支払う。
「あざぁ〜っす!!!」
「あぁ、じゃあ詐欺罪ねこれ」
「はぁ?!」
「Aのボイスが1000万だぁ?そんな安いわけねぇだろ!!!」
「そっちかよぉ!!!」
そんな俺たちの言い合いは皇帝のヘリ爆破によって終了した。
『匠くん、愛してる』
もう1つを聞いて俺はまた倒れた。
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作者名:のえた。 | 作成日時:2024年3月7日 2時