15 特殊 ページ16
つぼ浦 side
Aがヴァン・ダーマーに会ったと聞いて、腸が煮えくり返るほどイラついた。
今日は事件対応が多く、しかもそのほとんどがMOZUだったから、このためかよとひとり納得しながら美味しそうにご飯を食べるAを見る。
「匠くんヤキモチ妬いてくれてるの?」
「そりゃ、妬くだろ
ヴァン・ダーマーは悔しいがかっこいいと思うからな
まあ、こんなこと本人には絶対言わないがな」
最近、周りからつぼ浦は独占欲が強いと噂されているらしい、そんな噂を流したのはどこのタコスやらと思っていたが、案外近くにいて最近、心の暴行罪で30万切っておいた。
そんなことも知らないAは嬉しそうににこにこしながらこちらを見ているので、皿を片付けるついでにキスをしてやった。
「へ…もう、匠くんのばか…」
「Aが悪いだろ、可愛い顔しやがって
あ、先に風呂入ってきていいぞ皿洗い終わったら入りに行く」
「いいの?ありがとう!待ってるね」
Aの美味しいご飯が食べられるので、実家では絶対にしなかった皿洗いも苦ではない。
むしろAにありがとうと言われるからやってるみたいなとこもあるしな。
2人でお風呂に入り、髪を乾かして、さあ寝ようとベッドに入る。
前までは少し空いていた2人の距離も今ではAは立派な俺の抱き枕でAがいないと眠れないまである。
「匠くんも女の子とあんまり近くで離さないでね」
「当たり前だろ、Aが1番だよ」
ヤキモチ妬いてるのは俺だけじゃなくて、Aもで、少し前まではこんなこと絶対なかったから嬉しくて思わず強く抱きしめると、う…と、苦しそうな声が聞こえた。
「今日は一緒に昼食べれなくてすまなかったな」
「ううん、大丈夫だよ…
なんか、マクドナルドさん?て方が話し相手になってくれてとっても楽しかったの…」
「マクドナルド?!くそ、あいつAに手出したら容赦しねぇぞ…」
あいつの事だから合コンだのに誘うに違いないそう思った俺はAにあいつがどんなやつか説明しようと顔を覗き込むと、すやすやと寝息を立てて眠ってしまっていた。
絶対にあのピエロからAを守ると誓いながら、眠りについた。
その日の夜の夢は、怪しげなピエロに追いかけられる夢を見て、朝まで魘されていたらしい。
「あのピエロ、次会った時はタダじゃおかねぇぞ…!!!」
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作者名:のえた。 | 作成日時:2024年3月7日 2時