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A side


あれから私たちは幼なじみからカップルへと変わった。

変わったことといえばそれくらいで、たまに一緒にお風呂に入るくらいで前と余り変わらない生活を私はしている。

匠くんはというと、病院で大々的に告白をしたから一気に噂が流れて犯罪者に銀行などに呼び出されてお祝いという名のチェイスをさせられるらしい。
全くあいつら俺を舐めやがってよ、と話す匠くんはどこか嬉しそうで私も嬉しくなった。



「Aちゃんが俺の知らない間に彼氏が出来てるなんて思わなかったでやんすよ」



「デ ヤンスさんが最近起きてこないからですよ」



私の先輩であるデ ヤンスさんは久しぶりに起きてきて、今私からその話を聞いてとっても驚いていた。
うちの看板娘が〜!と、嘆いていて少し面白くなった。



「へぇ、君がつぼ浦の彼女さんか」



そんな話をしているととてもダンディな声をした白髪の男の人が立っていた。



「あなたは…?えっと、お知り合いでしたっけ…?」



「あぁ、すみません申し遅れました。



私、ヴァン・ダーマーと申します。」



「あぁ!あなたが!」



「おや?知っていましたか…?」



「はい!匠くんからよくお話を聞いています!」



匠くんが、最近よく話してくれるギャングのボスであるヴァン・ダーマーさんのお話。
匠くんはとっても嫌っているらしくて、よく言い合いになっているらしい。



「いつも匠くんがご迷惑かけているみたいで…!」



「いえいえ、楽しませていただいてますよ」



にこやかに話すヴァン・ダーマーさんは、匠くんとはまた違って大人の男性、という感じでとってもかっこよく見えた。



「あ〜!Aちゃん浮気はだめでやんすよ!」



「何言ってるんですかデ ヤンスさん〜!!



浮気なんてしてないです!!」



「つぼ浦に嫌気がさしたら私でもいいですよ」



「ヴァン・ダーマーさんまでからかわないでください!」



どこか親しみやすい彼がギャングのボスなんて思えなかったけれど、無線で誰かに呼ばれたのか、ホットドッグと飲み物を10個ずつ買ってそれでは、と高そうな車に乗りこみ去っていった。




「そういえば、今日ヴァン・ダーマーさんに会ったよ!」



「は?なんだって?」



「大人な男性って感じで面白い人だった!」



夜、匠くんと二人でご飯を食べながらそう話すと匠くんが眉間に皺を寄せてこちらを見てくる。



「Aあいつはギャングのボスだから、あんまり気を許すなよ」

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:のえた。 | 作成日時:2024年3月7日 2時

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