12 特殊 ページ13
A side
家で匠くんから注文があったカレーを作っていると、スマホから着信音がなった。
匠くんかな?と、うきうきでスマホを見るとそこには赤ちゃん キャップと書かれていて、少し嫌な予感がして慌てて出る。
「Aちゃんか?!今、つぼつぼが攫われてな、Aちゃんは危ないから少しの間家から出ないでほしい」
「匠くんが…?!」
「あぁ、心配だと思うが必ず助けるからな」
キャップさんは私のことを考えてそう言ってくれてる。
それでも、匠くんをいち早くこの目で見たい、大丈夫だと確認したい。
「キャップさんごめんなさい、私もついて行かせてください!」
「だめだ…と、言いたいが君はつぼつぼに似て頑固なところがあるからな、いいだろうすぐ迎えに行く」
キャップさんはすぐ迎えに行くと言ったように、ほんとにすぐ迎えに来た。
正直、匠くんのことがほんとに心配だったからありがたかった。
これ以上、一人でいたら最悪のことばかりを考えてしまうから。
「キャップさんは怖くないんですか…?」
「あぁ大丈夫だ。
つぼつぼは死なないからな」
警察はすごいなこれが毎日でとっても怖いはずなのに勇敢で私なんかとは全然違う。
私が匠くんの隣にいる資格なんてないのかもしれない、でも思ってしまったから。
「オルカはな、はやく匠とAの結婚式が見たい!」
「僕も見たい!絶対Aちゃんウエディングドレス似合うんだろうなあ」
「Aちゃんは日本の生まれだから、白無垢も似合うよきっとー!!!」
「さぶ郎はふたりがおばあちゃんおじいちゃんになっても隣にいる姿が想像できたよ」
オルカちゃんとネルちゃんとひのらんちゃんとさぶ郎ちゃんにそう言われて本当に嬉しくて、あぁ私は匠くんが好きなんだと認識してしまった。
「私、匠くんが好きだからずっとそばにいたいから、
だから匠くんを絶対に助け出したいです…っ」
「つぼつぼはこんなに思ってくれる彼女がいて幸せだな」
「ま、まだ彼女じゃないです…!」
あぁまだ違ったか、と笑うキャップさんに少しだけ救われた。
その後、現場に着くとロケットランチャーを担いだキャップさんがすぐに中に走っていってしまい私は追うように中に入ると地面に倒れている匠くんが目に入って、涙で前が見えなくなった。
起きたら言いたいことってなんだろう、いい事だといいなそう後部座席に座らされた匠くんの顔を見ながら思った。
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作者名:のえた。 | 作成日時:2024年3月7日 2時