私の幸せは9人の溺愛により生まれてます！ (ページ10)

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『ダメダメ！今は落ち込んでる場合じゃない！』

皆にとって、滝沢歌舞伎はとても大切なもの。

だから、何があっても成功させなければならない。

ﾊﾟﾝｯと自分の頬を叩き、気合いを入れ直す。

スタ「Aちゃーん、舞台セッティングの確認おねがーい」

『はい!!今行きます!』

舞台スタッフさんに呼ばれ、セッティングの確認をしに行く。

『そこのセット、もう少し左でお願いします。

後、台はもう少し上に上げて頂きたいです』

スタ「分かりました」

宮舘「Aー、それが終わったら、衣装の確認をお願いしたいんだけど……」

念入りに確認を行っていると、メモ帳を持った涼太が声をかけてきた。

『分かった！すぐ行く！』

素早く確認を終えて、涼太の元に急ぐ。

『涼太ごめん。遅くなった』

宮舘「全然大丈夫。お疲れ様」

『涼太もお疲れ様。早速始めよ！』

涼太と一緒に出演者1人1人の衣装を確認していく。

『一通り大丈夫かな』

涼太「うん。後は着てみないと分からないから、今のところ大丈夫だと思う」

涼太と一緒に、衣装の数、デザイン、生地の質等の
確認を行う。

『それじゃあ、来た人から順に、衣装の確認をお願いします。何か不備があれば、私に言って下さい』

阿部「A、この衣装の袖の部分が解れてて､､､､縫って貰えない？」

皆が次々に衣装の確認を行う中、亮平が袖の部分を持ちながら、私の元にやってきた。

『ホントだ。気付かなくてごめん。すぐ縫うね！』

私は急いで自分のバックから裁縫道具を取り出し、解れたところを縫っていく。

『これで､､､､オッケー！補修完了！』

阿部「ありがとう！A！めっちゃ綺麗！」

『そうかな……。このくらい簡単だよ？』

阿部「俺、絶対無理……。さすがA」

『褒めすぎ！でも､､､､ありがとう！』

縫い物は昔から得意だ。

というより、幼い頃から自分の服は自分で縫って、自分で補修しなければ、着るものが無かった。

その為、得意というより、得意に成らざるを得なかったと言った方が正しいかもしれない……。

でも、得意なものを誰かに褒められるのは、普通に嬉しい。

叔母の家に居た時は、誰かに褒められるなんて、1度もなかったから。

そんなことを思いながら、他の人の衣装も調整していく。

リハーサルまでは残り40分。